資源循環型社会の構築に向けては、市民・事業者、行政が協働して様々な取り組みを進めていく必要がありますが、京都市では、地球温暖化防止京都会議の開催に際し、平成9年11月より、廃食用油のリサイクル、自動車排ガスのクリーン化、炭酸ガス削減の観点から、全国の自治体に先駆けて廃食用油をメチルエステル化したバイオ・ディーゼル燃料を約220台のごみ収集車全車に導入しました。
さらに、家庭用の廃食用油についても、市内8ヶ所のモデル地域で回収を実施しており、今後市内全域に回収を拡大するとともに、市バス等への活用に向けた取り組みも進めています。
●バイオ・ディーゼル燃料とは?
家庭やレストラン、食堂から出た使用済みのてんぷら油をメタノールと反応させることで、粘性や引火点を低くして、ディーゼル車で利用できるようにした燃料です。
●自動車排ガスのクリーン化とごみ収集車への導入
平成8年9月から開始した6ヶ月にわたる長期走行実験において、排ガス中の黒煙の大幅な減少や酸性雨の原因となる硫黄酸化物もほとんど発生しない等自動車排ガスのクリーン化が確認されました。
そこで、市内3ヶ所のクリーンセンターに専用の給油スタンドを設置し、給油体制を確立した上で、ごみ収集車への本格導入を開始しました。
●家庭からの廃食用油の回収と温室効果ガスの削減
平成9年8月から、家庭からの廃食用油のモデル回収を開始し、現在し市内46ヶ所にまで広がっています。
今後、この回収の取り組みを、市民、事業者、行政の3者のパートナーシップのもとに21世紀までに全市域に広めていきます。
このように廃食用油を回収し燃料として再利用する取組によって、限りある石油資源の使用料を減らすことが出来るとともに、ごみとして捨てられて燃やすときに発生していた炭酸ガスを減らすことができ、市内全域で回収が実施されれば、年間約4,000dの炭酸ガスが削減できると推定しています。